命令をしてはいけない理由
職場で、上司が部下に「あれをせよ!」「そうしてはいけない!」と命令をすることがあります。
上司の命令は絶対なので、部下は従わざるをえません。これも人を動かす1つの方法です。
しかし、命令を受けた方は、気分が良いものではありません。
自尊心が傷つき、反感の感情が湧くこともあります。押しつけがましい命令は、後にしこりを残します。
命令ではなく質問が有効な理由
人を動かすには、「これでうまくいくだろうか?」「こうしてはどう?」と質問をします。
質問は、相手に考えさせることで、自主的に行動をさせることができます。
質問は命令と違って相手の自尊心を傷つけることがないため、協力的にさせやすくします。
「命令形式」と「質問形式」の比較
「会話例1」校内で迷惑駐車をしている学生に対して、車をのけさせたい
「命令形式」
教師「車をどけろ!今すぐに!のけなければ、ロックしてしまうぞ」
※悪いのは学生です。
しかし、このような言い方をすれば、学生は自尊心が傷つき、反発心が芽生えるでしょう。
周囲の学生にも影響します。後に、学生たちの教師に対する態度が悪化する可能性があります。
「質問形式」
教師「この車をのけてくれたら、他の車の出入りが楽になるのだが、どうだろう?」
※質問することで、学生は自ら考え、自分の車が迷惑になっていることを素直に認めることができます。
車を動かして、協力をしたいという気持ちになります。
「会話例2」部下が作成した提案書を直させる場合
「命令形式」
「こういう書き方をしては、いけない!これはダメだ。直すように!」
※部下は自分がダメな人間と言われているような気がして落ち込みます。義務感から提案書の手直しをすることになります。。
「質問形式」
「ここの書き方は、こう書いたら、もっと良くなりかもしれないが、どうだろう?」
※部下は問いかけられることで、自分で考えることができます。
重要感が与えられることで、上司の言うことを素直に聞くことができます。
本日のまとめ
①上手な人の動かし方は「これでうまくいくだろうか?」「こうしてはどうだろう?」と質問することです。
・命令でも人を動かすことはできますが、命令を受けた方は気分が良くありません。命令は、後にしこりを残すことがあります。
②質問は相手に考えさせることで、自主的に行動をさせることができます。
・相手は間違いを認めやすく、素直に行動に移すことができます。
③質問は命令と違って、自尊心を傷つけることがないため、相手に協力の気持ちを起こさせることができる。
・明らかな間違いを正す場合であっても謙虚に対応します。